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動物の心?!(2/3)

 広辞苑に記載されていた「心」について“精神作用のもとになるもの、またその作用”という部分に着目して考えてみると、人間以外の動物にも「心」の存在を感じることができます。科学の発展によって、“精神作用のもとになるもの、またその作用”が心臓に由来するのではなく、脳の働きによるものであることは今や疑いようのない事実として知られています。そしてヒト以外の動物にも脳が存在し、ヒトの脳と同じような働きをすることが知られています。例えば、身近な動物であるイヌやネコであっても一部の感情(情動)は確認されており、人間の表情とは異なる方法で、動きや行動として表出されています。また人間では精神疾患として分類される「分離不安障害」や「強迫性障害」などもイヌやネコに存在し、人間と同じような薬物を使って治療されています。こうした事実が積み上げられると、もはやイヌやネコには「心」の存在を感じずにはいられません。 (つづく)

獣医動物行動学 武内 ゆかり

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C 2024 応用動物科学専攻広報 担当