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動物の心?!(3/3)

 前の話から転じて進化の観点から動物の「心」を考えてみると、話は少し複雑になります。「心」という概念をより明確かつ詳細に定義しなければ、その存在を証明できないからです。例えば、“本能行動だけではなく学習行動も発現できる脳に「心」が生まれる”と考えるのであれば、脊椎動物に限らず、無脊椎動物である昆虫類にも「心」が存在することになります。現代人がハエやカに「心」を感じているかどうかは分かりませんが、科学の発展は脳の構造や機能についてヒトとヒト以外の動物との境界を徐々に埋めていっていることは事実です。脊椎動物における脳の進化を考えると、ヒトにより近い哺乳類では大脳新皮質が発達していることが知られていますから、もしかしたら「心」はその働きに由来すると考えられるのかもしれません。

 もしもこのコラムを読んで動物の「心」に興味がでてきたら、以下のサイト(特に「進化と心」)をご覧ください。いろいろな側面から「心」のことを知ることができると思います!

獣医動物行動学 武内 ゆかり

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C 2024 応用動物科学専攻広報 担当