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眼で見る生命現象 4
見えないタンパク質間相互作用を見る ― Yeast Two-Hybrid Screening ―

 細胞の中では、多くのタンパク質同士が相互作用し、様々な反応を司っています。研究対象のタンパク質が、どのようなタンパク質と相互作用しているかを解析することは、そのタンパク質の持つ機能解明への重要な一歩となります。そのような方法に、Yeast Two-Hybrid Screening法があります。あるタンパク質Xを転写因子のDNA結合ドメインとの融合タンパク質として出芽酵母中で発現させます。同時にXとの相互作用を検定したいタンパク質Yを、転写因子の転写活性化ドメインとの融合タンパク質として発現させます。Xは転写因子のDNA結合ドメインでレポーター遺伝子の上流に存在するプロモーター領域に結合しますが、この状態ではレポーター遺伝子の転写は起こりません。XがYと相互作用すると、その相互作用により転写因子の転写活性化ドメインがプロモーター近傍に位置するため、レポーター遺伝子の転写が起こります(下図左)。ロイシン合成遺伝子をレポーター遺伝子として用いれば、相互作用がある場合にのみ、ロイシンマイナスの培地で生育が可能になります(下図右)。

細胞生化学 片岡 直行

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C 2024 応用動物科学専攻広報 担当