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卵子と卵丘細胞の双方向なコミュニケーション

 動物の卵子は生体内で「卵丘細胞」と呼ばれる細胞に取り囲まれています。卵子は多種の増殖因子を分泌し、卵丘細胞の発達や機能を制御しています。一方、卵丘細胞は代謝産物の供給を通して卵子の発達を助け、排卵時にはヒアルロン酸などを分泌することで、排卵のストレスから卵子を保護することが知られています。
 この様に、卵子と卵丘細胞は双方向にコミュニケーションをとりながら発達します(伊藤 J. Mammal Ova Res. 2021)。この双方向コミュニケーションは、正常に卵子が作られるのに必須のメカニズムで、その異常は女性不妊や家畜繁殖障害の原因として知られています。
 写真は、この双方向コミュニケーションの研究モデルとして使用される卵子と卵丘細胞塊の共培養系です。

応用遺伝学 杉浦 幸二

 

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C 2024 応用動物科学専攻広報 担当